パワーストーンの歴史

 希少で貴重な石そのものに、何らかの力が備わっているという考え方はいつからあったのでしょう。実はこうした考え方は世界各地に残っていて、これが明確なルーツといえるようなものはありません。世界の色々な神話を見てみれば、何らかの類型的な話というものが存在します。パワーストーンという言葉を使うかどうかは別にして、力を宿す石という存在は、人間の根源的な思考に根付いたものといえるでしょう。
 例えばトルコ石は、古くからお守りとして重用されてきたパワーストーンです。ちなみにトルコ石という名前でよく誤解されますが、もともとトルコ石はペルシア(現在でいう、イラン周辺のことです)原産のものです。シルクロードを通り周辺諸国に広まり、ヨーロッパでも珍重されるようになりました。トルコ石が広まった当時は、諸外国で力を持つ石と信じられ、これがパワーストーンの起源だという説もあります。ですがこうした考え方が、伝統的に受け継がれてきたではなく、非科学的で全時代的なものとして一度は廃れてしまいました。それが再び日の目を見るように「なったのは、1970年代の事で、現代で言えばスピリチュアルブームのような自然に寄り添う生活スタイルと共に見直されることになったのです。 当時はこの考え方は、アメリカで巻き起こったヒッピーブームの中で石のヒーリング効果があるという考え方が根付きました。ただ、ヒッピーブームというのは現在でいうオカルトや新興宗教などに結びついたため、ブームの外側にいる人達から見れば、「うさんくさい」考え方のひとつとも捉えられていました。
 そして現在、日本ではスピリチュアルブームと呼ばれる、見えない力を信じるというヒッピーブームに近い考え方が浸透しています。もちろん一部はヒッピーと同じくカルト的なものや、詐欺的なものも含まれていますが、その多くは自分の力を高めるため、自分で自分を癒すためのものとして利用されているものです。そうした考え方とパワーストーンという考え方はぴったりとマッチし、多くの人が気軽にパワーストーンを楽しむようになったのです。

 

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