宗教儀式のためのパワーストーン

 今現在ファッション感覚でパワーストーンを身に着けている人も多いですから、パワーストーンと宗教を結びつけて比較考えている人というのはめったにいません。ですがもともと、「パワーストーン」という観念は宗教的な意味合いで伝えられてきたものです。どんな宗教で力を持つと考えられる石が使われてきたのか見ていきましょう。
 キリスト教では、パワーストーンは権威の象徴とされてきただけに多くのアイテムに石が使われています。特にキリスト教で重要視される石はアメジストで、別名「司教の石」といわれています。キリスト教では宗教儀式の際、司教のみならず参列者も、その多くがアメジストで作られたアクセサリーなどを身に付けています。
 日本の仏教徒にはお馴染みの数珠。これもパワーストーンがよく用いられます。数珠の材質は、もともと七宝がよいとされていました。一般的に七宝とは、金、銀、瑠璃、玻璃、珊瑚、瑪瑙、しゃこの7種類を指します。ちなみに瑠璃はラピスラズリ、玻璃は水晶のことです。現在は様々な材質で作られた数珠があります
し、宗派によっては用いてはいけない材質なども存在します。ですが水晶やラピスラズリ、その他高貴な色とされてきた紫色の、アメジストも昔から人気のある材質です。
 次はもっと古い例を見ていきましょう。古代エジプトでは、ミイラの製作が行われていたのは皆さんご存知ですよね。このミイラは、ミイラを守る意味で様々な護符が、布の中に一緒に巻かれています。その中には石で作られた護符も多く、ラピスラズリが発掘されています。古代エジプトではラピスラズリは、冥界を旅するときの重要な護符と位置づけられていました。
 様々な宗教で、良いとされて使われてきた石は理由あってのことです。今現在、私達が意識せずに使っている道具に使われている石も、昔はその石のパワーを感じ取れる人が多かったのかもしれません。

 

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